LiF:Report

Life is Feudal:MMOについて書いてます。

LiF:Report Case:Negativers

同盟に入るきっかけといえばこのエピソードかなと思い出した話、脚色は多め。


Life Is Feudalを初めて、間もない頃の話。


実は、今のギルドに所属する前に3つのギルドを渡り歩いている。

最初は偶然出会った日本人3人で結成されたDoreisans。当然拠点は持っておらず原始的な生活をしていた。
その次に近くに移り住んできたDoreisansより人数が多いNegativers。彼らと話し合った結果、私たちは人数の差から彼らのギルドへ合併された。

その後、北米ギルドの干渉等の事件を経てNegativersは定住地を紹介され移り住むこととなった。

そこでは、少し北にある日本大手のSギルドにより資源採掘についての制限を条件に居住地を提供されていた。
未開拓地で、原始的なスキルしか持たない私たちは一から地面を整地し邪魔な木々を伐採し開拓の喜びを享受していた。

そんなある日、「彼」はやってきた。

海の対岸からやってきた「彼」は、気さくな英語で話しかけてきた。

「やぁ、君たちどこの人?日本人?いいね!私中国人。対岸から来たんだよ。あ、料理持ってるからあげる。」


恐ろしかった。
前々からSギルドには「対岸には中華のギルドがいて、我々は海外の同盟とともに彼らと戦争している。」と聞かされていたからだ。


しかし「彼」は相変わらず気さくに話しかけ、こちらは中立の日本人だと伝えると「彼」は嬉しそうに話をつづけた。
和気藹々とした時間を過ごし、「彼」は海の向こうへと帰って行った。


その後対岸の日本人村に出向いた際、中華のギルドと遭遇したが、何故か食料をもらったり挨拶をされたりした。
「彼」と話したおかげ?戦力を持たないNegativersにとって、中立としての立場を守るには良い風が吹いていた。

 

それから少し時が過ぎた。依然としてSギルドの許可のある地域でのみ資源採集を許されていた我々は、慢性的な資源不足に悩まされていた。
時には内緒で対岸の海辺で採掘をしていたこともあった。しかし限界を迎えていた私たちは、Sギルドへ資源採掘の制限の開放について話をした。
Sギルド内のギルドリーダーや幹部の交代もあり、話合いの結果ようやくNegativersの窮状に対し自領土の採掘権の許可を得ることができた。

しかし、それは同時に中立性を失う結果となった。

Sギルド領地内での採掘を終え、馬車で拠点に戻る最中に一人の中華が挨拶をしてきた。
いつもどおり挨拶し、PT申請をされ迷いなく受けた瞬間殺害されたのだ。

次の日、私たちのギルドは対岸の中華ギルドに宣戦布告を受けていた。
我々の中立性が崩れ去った瞬間だった。Sギルド領地での我々の動きを彼らは察知していたのだ。

それでも現状戦力を持たない我々のギルドの中立を維持したい私は、対岸まで足を運んだり彼らのギルド付近をうろついてみたりもしたが一向に彼らに会うことはできなかった。
その事態をSギルドに話もしてみたが、戦争状態という事もあり中華とは話ができないようだった。Sギルドは付近の警戒をするとは言ってくれたものの、絶望的な状況だった。
中華ギルドはあらゆる時間に上陸し、馬で疾走し攻撃をしかけているのを知っていたからだ。これからは我々が先に標的になることは明白だった。

事態を打開してくれたのは、以前取引をしたことのある西方中華と面識のある日本人だった。

「じつはこういうことになっていて、彼らと連絡が取りたい。」
「東の中華はあまり知らないけども、こっちにあたってなんとか連絡を取れるよう話してみます。」
すがる思いの連絡だったが、速攻で返事が来た。
「話が付いたのでディスコードで連絡してみて。私ができるのはここまでだけど頑張って。」

恐る恐る、仕事の帰路にスマホから連絡を取る。

「こんにちは、彼の紹介であなたに連絡しました。27鯖のNegativersです。戦争についてなんですが・・・」
「フレンド!なぜ戦争状態なのかわからないけどキミ達とは戦争してないよ。」

意外過ぎる返答。

彼が言うにはSギルドの権限調整がおそらくNegativersを巻き込み戦争状態になったとの事だった。
その後お互いのアニメアイコンについて褒め合ったり、実は日本人が好きなんだと話をされたりPUBGに誘われたり。

そうして話をしていくうちに分かった事実。実は彼こそ対岸からやってきた「彼」だった。
そして「彼」こそ対岸の中華ギルドの一角を担うLギルドのキングだった。

次第に話は本題へと入っていく。

「私たちはどちらかの陣営に参加するべきですか?」
「力がないなら、あなたたちはまだ戦争に参加すべきでありません。」
「私たちは中立の為に何ができますか?」
「うちの近くに来るか、西へ行くといい。それはおそらく悪くない。日本人の彼、話を聞いてくれるでしょう。」
「私たちはこの土地を離れるべきですか?」
「いいえ、あなたは自由だ。あなたは自由に選択できる。あなたは敵ではないのだから。」


その一言で、今の土地へ移住してからの今までの緊張がほぐれていくようだった。


移住を決めてSギルドに顔色を窺う日々、一時は敵対したにもかかわらず自由に選択できるのだと言ってくれた「彼」の言葉。

おそらく、この世界では中立だと宣言していても多くのギルドはそれを信用しない。それがこの世界なのだろう。

しかし「彼」はそれを信用し、私たちの想いを汲み取ってくれた。ただそれだけが、ありがたかった。


その後おもいっきりPUBGにご執心な彼に誘われたのは、笑い話にしてもいいのだろうか。

 

 

そして数日後、自立を求めて西方へ移住した私たちは、3度目のギルドを立て「彼」のいる同盟へ参加することとなる。